2019年にはじめの症例が中国で発見されてから現在に至るまで猛威を振るう新型コロナウイルス感染症COVID-19。
重症化する患者は減少傾向で5類感染症に引き下げとなり、日常生活が少しずつ戻ってきてはいますが、まだまだ注意を要する感染症です。
新型コロナウイルスの治療については様々な薬剤が試されていますが、中には効果があると大々的に発表されたものの、後に無効であることがわかったり、そもそも有効性が証明されていないのに、使われていた薬剤もあります。
新型コロナウイルスに感染したらどのような治療があるのかについて知っておくことはまだまだ重要です。そこで今回はCOVID-19の治療について解説します。
COVID-19の治療薬①「抗ウイルス薬」
COVID-19はウイルス感染症です。そのためCOVID-19に感染した場合にまずウイルスの増殖を抑える薬剤を投与します。
コロナウイルスなどのウイルスは人や動物の細胞の中に侵入して増殖します。この細胞への侵入や、ウイルスの増殖の仕組みを妨害してウイルスが増えないようにします。
現在厚生労働省の承認を受けているのは点滴薬である「ベクルリー」飲み薬である「ラゲブリオ」「パキロビットパック」「ゾコーバ」があります。
COVID-19の治療薬②「中和抗体薬」
ウイルスは細胞の中に侵入して増殖します。中和抗体薬はウイルスに結合して、ウイルスが細胞に侵入するのを妨ぎます。
現在承認されているのは点滴薬の「ロナプリーブ」「ゼビュディ」筋肉内注射薬の「エヴァシェルド」があります。
COVID-19の治療薬③「抗炎症薬」
COVID-19に罹患するとウイルスの活動により体の中の免疫細胞が過剰に働き、それにより肺炎を起こしてしまいます。
その炎症を抑えるために炎症を抑える作用のあるステロイドを使用します。
よく使われるのは「デキサメタゾン」という薬剤です。抗炎症薬はある程度重症度が高く肺炎を起こしている人に使われます。
コロナの治療薬はどうやって決まっている?
ここまでこの記事を読んだ人は
「アビガンとかイベルメクチンとかも昔話題になっていたけど、今はないの?」「そもそも治療薬はどうやって決まっているの?」という疑問をお持ちかと思います。
初期の段階では治療法が全くわからないので症例を見ている医師が有効そうな治療を手探りで行っていくことになります。
その過程で「この薬剤は有効な可能性が高い」と考えた薬剤を使用していきます。「この薬剤は有効だった」と思えば医師は症例報告を行います。
そのような症例が多数報告されると、治療薬の候補がいくつか出てくることになります。
ただ、本当に治療薬が有効なのか、たまたま治療薬を投与したタイミングで病気が自然に治ったのかを検討しないと治療薬として有効なのかどうかはわかりません。そこで必要となるのが臨床試験です。
臨床試験ではある薬剤を投与した患者群と投与しなかった患者群の2群に分けてそれ以外の条件を揃えて比較することが求められます。
また臨床試験の信頼性を担保するためには多くの患者で比較して十分な数の患者で検討する必要があったり、臨床試験を行う医師の先入観が入らないように偽薬を用いて患者が自分がどちらの群に振り分けられたかわからない状態で試験を実施する必要があります。
また臨床試験をしている医師も投与したタイミングでどの患者がどの群に振り分けられたかわからないようになっています。
このようにして医師や患者の先入観が入らずに行う臨床検査を経て明らかに効果に差があったときに初めて有効性が証明されるのです。
「イベルメクチン」や「アビガン」も当初患者に投与してみたら有効だったという報告が出たものの大規模な試験をしてみたら明らかに有効であるという結果は得られなかったために現在は使用されていません。
現在承認されている治療薬は厳しい臨床試験の結果有効と証明されたものなので、安易に新規の治療に飛びつくのは得策ではないと言えるでしょう。
適切な治療を受けるために必要なPCR検査
ここまでCOVID-19の治療を解説しました。現在ではかなり治療は進歩してどのような治療が有効か判明してきています。
しかしそもそもCOVID-19にかかっていると診断できなければ治療を受けることができません。また感染に気づかず過ごしてしまうと他の人に感染させてしまう恐れもあり、診断のための検査の重要度はまだまだ高いままです。
現在は抗原検査が気軽に行えるようになっていますが、やはりPCR検査のほうが感度が高くなっています。そのためリスクの高い人に接触する場合(高齢者施設に入居する人の入居時の検査や医療従事者に症状が出たときの出勤の判断など)にはPCR検査がより有効です。
以前はPCR検査を行うのに検体を採取してそれを検査場に送って、結果が出るのを待ってという流れで2−3日かかっていたのですが現在は新しい技術が発達しており、1時間で検査ができるようになっています。
ミヤラボ衛生検査所のPCR検査は検体採取したら回収まで任せることができ、検体が到着してから最短1時間でメールや電話で結果を通知することができます。
以前は数万円だった費用も、1回5,500円程度とかなりリーズナブルになっており、症状が出たときに他の人に移してしまう心配を抱えるよりも、感度の高いPCR検査を短時間で行うことは大きなメリットがあります。
COVID-19を他の人に移さないため、適切な治療を受ける機会を逃さないためにぜひ、短時間で便利で低料金なミヤラボ衛生検査所のPCR をご検討ください。