2019年から現在に至るまでずっと世界中で大規模な流行をまきおこし、多くの感染者を出している新型コロナウイルス感染症COVID-19。
ここ最近は全世界的に規制緩和の流れになってきており、我が国でも日常生活の規制緩和が進んでおり、日常生活が戻ってきています。
しかしまだまだ高齢者や基礎疾患のある人には危険のある感染症であることは変わりません。また若くて基礎疾患のない人であっても後遺症が残る場合があり、引き続き感染対策を進めていく必要があります。
感染症対策をするにあたって感染しているか否かを判別する検査は必須となります。現在よく使われているCOVID-19の検査にはPCR検査と抗原検査があります。
この2種類の検査の違いがよくわからずどちらの検査を受けるべきなのか、それぞれの検査にはどのような違いがあるのか疑問に思っている方も多くいらっしゃると思います。
今回はCOVID-19の検査であるPCR検査と抗原検査の違いについて解説し、どんな時にどのような検査を受けるべきかについて解説します。
そもそもCOVID-19の原因になるウイルスとは
COVID-19というのは病気の名前で2019年に発見されたコロナウイルスによる病気、という意味です。COVID-19の原因となるウイルスはSARS-CoV2という名前がついています。
2003年ごろに流行した重症急性呼吸器症候群(SARS: severe acute respiratory syndrome)を引き起こすウイルスにSARSをおこすコロナウイルスという意味の名前SARS-CoVが付けられ、それに似た新しいウイルスであることからSARS-CoV2という名前になりました。
このウイルスがどこからきたのかについてはいまだによくわかっていません。中国の武漢に生息するコウモリが由来でないかと言われていますが、真相は不明なのです。
抗原検査とPCR検査は何が違う?
どちらの検査もSARS-CoV2を見つけ出すための検査です。しかしどちらもウイルスそのものを見つけ出しているというわけではなく、ウイルスを構成する「パーツ」をみつけ出しているのです。2つの検査のちがいは検出するパーツの違いに由来します。
SARS-CoV2は中心部にウイルスの遺伝子であるRNAがあります。その周りにエンベロープという殻がありそのエンベロープに突き刺さる形でスパイクタンパク質が存在します。
ウイルスの構造は単純で遺伝子がからに包まれただけの構造をしているのです。
ではそれぞれの検査ではそのウイルスのどのパーツを検証しているのでしょうか。
まずPCR検査についてみていきましょう。この検査はウイルスの遺伝子を検出する検査です。PCRはポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)の略です。PCRというのは遺伝子物質であるDNAを短時間で複製する方法です。検体に含まれた遺伝子をPCR
法を用いて複製します。何回も複製を繰り返すとごく微量の検体に含まれたウイルスの意遺伝子を増幅させて検出の感度を上げることができます。
そのためPCR検査はウイルスを増幅させるのに1日―2日程度時間がかかるものの、より高い感度で検査をすることができます。
次に抗原検査について、抗原検査はウイルスの表面に存在するスパイクタンパクを抗原として検出します。スパイクタンパク質を増幅させる技術はないので、検体に含まれている抗原をそのまま検出します。増幅する時間がないため、検査自体は15分程度で終わります。ただし、感染して間もないタイミングで体の中のウイルスの量が少ないと感染していても陽性にならないことがあります。
PCRと抗原検査の使い分け
PCR「検査は時間がかかるがより正確」抗原検査は「短時間で検査できるが精度がやや低い」という違いがあります。PCRは陰性証明の正確性が求められる時に有効です。海外渡航や帰省などの前に陰性を確認するとき、症状はないものの身近に感染者がいて不安な時にはPCRをお勧めします。抗原検査は症状がしっかりある時に素早く検査して診断をつける時にお勧めです。陰性の場合も繰り返して検査ができるため、短期間に陽性かどうかを検査するのに適しています。逆に症状がない時は感染していても陰性になりやすくあまりお勧めできません。
精度の高いPCRを短時間で行いたい時には
ここまでの解説通りPCR検査は抗原検査と比べて精度が高いものの時間がかかるというのがデメリットでした。時間がなく急いで陰性証明が欲しいが抗原検査では不十分と言われた。そんな時にはお急ぎPCRをご利用ください。精度の高いPCRを30-1時間でおこなうことができます。
まとめ
今回はCOVID-19の検査について解説していきました
PCR検査と抗原検査それぞれの特性を知り、自分の状況に合わせて必要な検査を受けることが重要です。どの検査が良いのか判断に悩むときはぜひお問い合わせください。
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